
タリーズのホンジュラスってどんな味?
パカス種ってどんな豆?
タリーズの「ホンジュラス サンセバスティアン パカス100%」は、グレープのようなジューシーな酸味が特徴のシングルオリジンコーヒーです。
パッケージのイメージ通り、爽やかで非常に明るく、清々しい朝の目覚めの一杯にピッタリなコーヒーです。
ホットにするとジューシーな酸味とやさしい甘さ、アイスにするとシトラスのような爽やかなコーヒーになり、違いを楽しむことができるでしょう。
本記事では、そんな「ホンジュラス サンセバスティアン パカス100%」の魅力を、豆の特徴なども含めてレビューしていきます。
【タリーズ ホンジュラス パカス100%】

「タリーズ ホンジュラス サンセバスティアン パカス100%」は、ホンジュラス西部の雄大な山々に抱かれた“風の谷”に位置する小さな集落サンセバスティアンで、希少なパカス種を100%使用し生み出されたコーヒーです。
公式情報
商品名 :SINGLE ORIGIN HONDURAS SAN SEBASTIAN PACAS 100%
種類 :豆(店舗により粉に挽いてもらえる)
内容量 :150g
参考価格:1,440円(2025年5月現在)
生産国 :ホンジュラス
エリア :レンピラ県 サンセバスティアン
生産者 :オスカル ゴセリン氏、レステル マスケル氏、フアン モリナ氏 他
標高 :1,770~1,950m
精製方法:フーリーウォッシュド
品種 :パカス(100%)
パカス種とは?味・特徴・ブルボン種との違いを解説

コーヒー豆の品種選びにこだわる人にとって、「パカス種」という名前は一度は聞いたことがあるかもしれません。
「パカスって名前は聞いたことあるけど、どんな豆?」
「ほかの品種とどう違うの?」
ここでは、そんな疑問にお答えしていきます。
パカス種の風味や特徴を、パカス種の派生元であるブルボン種と比較しながら、わかりやすくご紹介します。
パカス種の特徴
パカス種は、中米・エルサルバドルで発見されたブルボン種の自然突然変異種で、1949年頃に「パカス家(Pacas family)」の農園で発見されたことからこの名がつきました。
パカス種は以下のような特徴を持ちます:
- 樹高が低い(矮性)
→ 栽培や収穫がしやすい - ブルボンに似た豊かな甘みと柔らかな酸味
- カップに複雑さが出やすく、風味に奥行きがある
- 中煎り〜中深煎りに向いており、甘みと酸味のバランスが出やすい
産地や栽培環境により異なりますが、ナッツやキャラメル、ベリー、トマトのような酸味といった、親しみやすくも個性的な風味を持つことが多いです。
ブルボン種との違いは?
特徴 | パカス種 | ブルボン種 |
---|---|---|
起源 | ブルボンの突然変異(エルサルバドル) | イエメンからブルボン島経由で広がった |
樹高 | 低い(矮性) | 高い(収穫しにくい) |
味わい | 柔らかな酸味と甘み、複雑な風味 | 明るくクリーン、上品な酸味とコク |
栽培性 | 標高が高いほど品質が向上、栽培しやすい | 品質は高いが病害虫に弱く管理が難しい |
カッププロファイル | ナッツ、トマト、キャラメル、軽いベリー | フローラル、シトラス、チョコレート系が多い |
パカス種は、ブルボンの魅力を残しながら扱いやすくした品種と言えます。ただし、ブルボンの持つ繊細な香りやキレの良い酸味はやや控えめで、代わりに丸みのある柔らかい味わいが加わる印象です。
どちらを選ぶべき?
- フローラルな香りやシャープな酸味が好き → ブルボン種
- コクやまろやかさ、甘みを重視 → パカス種
両者ともスペシャルティグレードで出回っているため、焙煎や抽出方法次第でさまざまな個性が引き出せます。迷ったら、「中煎りのハンドドリップ」で飲み比べてみるのがおすすめです。
まとめ
パカス種は、ブルボン種をベースにしながらも、まろやかさ・甘み・複雑な味わいに優れたバランス型の品種です。
特に家庭で淹れるコーヒーでもその個性が出やすく、「落ち着いた味が好き」「酸味が尖っていない豆が好み」という人にぴったり。
一方、華やかさや酸味を重視するならブルボン種にも注目すべきです。
自分の好みに合わせて、2つの品種を飲み比べてみると、より深くコーヒーの世界が楽しめるでしょう。

パカスはグレープのようなジューシーな酸味が特徴なんだね!
【レビュー】ハンドドリップで楽しむパカス

豆本来の個性を楽しみたいなら、ハンドドリップは最適な抽出方法です。
特に、やさしい甘みと透明感ある味わいが特徴のパカス種は、丁寧に淹れることでその魅力を一層引き出せるでしょう。
ここでは、ホットとアイスそれぞれ抽出し、レビューしていきます。
ホットコーヒーのハンドドリップ
パカス種はホンジュラスでも多く栽培されており、ナッツやチョコレートを思わせる甘さや、グレープやトマトのような爽やかな酸味を持つ複雑な味わいが特徴です。
コーヒー豆(粉)、お湯の量は1杯分の量です。2杯分であれば単純に2倍にします。
湯量はコーヒー豆の16.5倍の量を設定。濃いめが好きであれば15倍、薄めが好きであれば17倍にするなど、お好みで調整してください。
「タリーズ ホンジュラス パカス100%」は、公式情報には記載がありませんが、中~中深煎りくらいの焙煎度なので、パカスの酸味や甘味を引き出すために、挽き目は中挽きがおすすめ。
注ぐお湯の温度は、豆の個性をより一層引き出すために、91~92度で抽出しましょう。
パカス種のやさしい甘みと透明感ある味わいを引き出すには、丁寧な注湯が大切です。
以下の手順を参考に、じっくりと抽出してみてください。
レシピ
コーヒー豆(粉):14g
湯量 :230g
ドリップ
- 最初に45gのお湯を注ぎ、30秒間蒸らします。
粉全体にお湯が行き渡るよう、静かに注ぐのがポイントです。 - 蒸らしが終わったら、90gまでゆっくり注ぎ足します。
湯量を急に増やさず、中心からゆっくりと広げるように。 - 1分のタイミングで150gまで注ぎます。
香りが立ち、味のバランスが見えてくる工程です。 - 1分30秒の時点で、200gまで注ぎましょう。
雑味を避けるため、細く一定の湯量を意識します。 - 2分のタイミングで230gまで注ぎ、抽出を完了します。
合計で約2分30秒以内に収めると、スッキリとした後味に仕上がります。
この手順で淹れることで、パカスの特長が際立つ、まろやかで優しい味わいが楽しめますよ。
テイスティング
一口飲んだ瞬間にナッツの香りがブワッと広がり、ほのかなベリー系の酸味が後から追いかけてきます。
温度が少し下がると甘みが際立ち、角のないまろやかさがゆったりと続きます。
全体的に雑味がなく、口当たりもなめらかで飲みやすいです。
じっくり味わうことで、その奥行きのある風味がより引き立ち、ホンジュラス産パカス種の個性をしっかり感じられる、落ち着いた一杯です。
アイスコーヒー(急冷式)のハンドドリップ
アイスコーヒーのドリップ手順もホットコーヒーのドリップ手順と基本的に一緒ですが、急冷によって香りと風味を閉じ込めるのがポイントです。
氷を入れたサーバーの上から抽出し、短時間で冷やしましょう。
注ぐお湯の温度は、ホットコーヒーと同様、91~92度で抽出がおすすめ。
レシピ
コーヒー豆(粉):20g
湯量 :150g
氷 :80g以上
アイスコーヒーの場合、入れた氷が解けることで味が薄まることを想定し、豆(粉)20gに対し、7.5倍の150gのお湯で抽出します。
氷は80g以上あると、お湯で抽出しても解け切らず効率よくコーヒーを冷やしてくれます。
ドリップ手順
- まず、45gのお湯を注いで30秒間蒸らします。
粉全体が均一に湿るよう、静かに注ぐのがコツです。 - 30秒経ったら、90gまでゆっくりと注ぎます。
中心から外に円を描くように注ぐと、安定した抽出ができます。 - 1分が経過したら、120gまでお湯を追加します。
この段階で香りが立ち始め、味の輪郭が見えてきます。 - 1分30秒のタイミングで、最終的に150gまで注ぎます。
抽出が終わったら、氷が入ったサーバーにしっかり落ち切るのを待ちましょう。
完成したら軽く混ぜて、味が均一になるよう整えます。冷却しながら抽出することで、雑味の少ないクリアで爽やかな一杯に仕上がります。
テイスティング
冷やすことで酸味が引き締まり、ベリーやシトラスを思わせる爽やかな風味がより感じられます。
香りは控えめになるものの、口に含んだ瞬間のフレッシュな印象が心地よく、後味にはほのかなチョコレートのような甘みが残ります。
氷で冷やしても雑味が出にくく、すっきりとした仕上がりは、暑い季節やリフレッシュしたいときにもピッタリ。
濃厚さよりも繊細さや透明感を楽しめる一杯です。
アイスにしてもパカス種の特徴がきちんと活きており、さっぱりとした飲み口の中に豊かな表情を感じられます。
まとめ
タリーズ ホンジュラス パカス100%をご紹介しました。
タリーズ ホンジュラス パカス100%は、”風の谷”サンセバスティアンで栽培されたパカス種を100%使用したシングルオリジンコーヒーです。
ホットではナッツやカカオの風味、アイスではベリーやシトラスのような爽やかな酸味が際立ち、それぞれ違った魅力を楽しめますので、ぜひお試しください。